ダイ Dayi
ダイ Dayi
インドネシアのスラウェシに生まれる、1945年20歳(推定)に6ヶ月間動員
必ず「こんにちは」、「さようなら」
とあいさつをしなければなりませんでした。
あいさつをしないと軍人は腹を立てましたが、
殴られはしませんでした。
両親は農業を営んでおり、十人の兄弟姉妹と幸せに暮らしていました。
ある日村長が来て、日本軍の命令だといって十二人の村の女性を選び、強制的に日本軍に送りました。私も着の身着のまま無理やり連行されました。
村長は「綿から糸を作る仕事をする」と言っていました。そのとき私は二十歳でしたが、私より年上の女性もいました。
昼は綿から糸を作る仕事をしました。夜は軍人に連行されました。ほぼ毎晩同じ軍人が来て一緒に寝ました。その軍人には会う度に必ず
「こんにちは」、「さようなら」とあいさつをしなければなりませんでした。あいさつをしないと軍人は腹を立てましたが、殴られはしませんでした。
毎日軍人と行為をしては、何もなかったかのように家に帰りました。その頃生理はありましたが、妊娠はしませんでした。
妊娠した人もいましたが、その人たちが今どこでどうしているのかはわかりません。
* 適当な部屋がなく、キッチンの片側にベッドを置いて生活している。床が竹で編まれているので切り傷がつきそうで危ない。おばあさんはインタビュー中、ずっと私のことを指さしていたのだが、あとで聞いたところによると、あの時の軍人と私が同じ顔をしていると言っていたそうだ。通訳者は彼女の前で私にそのことを話すのが忍びなかったと言った。