安世鴻写真展『重重~中国に残された朝鮮人元日本軍「慰安婦」の女性たち』 中止に対するニコンへの抗議と呼びかけ

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10月5日に発表された抗議声明文を転載します。多くの方が賛同してくださいました。
皆様のご賛同に感謝致します。
安世鴻・重重プロジェクトメンバー

 

抗議声明
2012年10月5日

安世鴻写真展『重重~中国に残された朝鮮人元日本軍「慰安婦」の女性たち』
中止に対するニコンへの抗議と呼びかけ

2012年9月13日から19日まで、大阪ニコンサロンで開催される予定
だった安世鴻写真展『重重~中国に残された朝鮮人元日本軍「慰安婦」の女性
たち』が、ニコン側の一方的な通告によって中止となりました。
これに対して、私たちは強く抗議の意思を表明します。

ニコンサロンの選考委員会が審議した結果を受けて、開催することを承諾・
決定・告知していた安世鴻氏の写真展示を、ニコン側が突如、一方的に中止し
た経緯は、写真家に対する写真展示はく奪行為であり、憲法で保障された「表
現の自由」
「言論の自由」を損なうものです。
同写真展を中止する理由として、ニコン側が対外的に説明している「諸般の
事情」
「総合的な判断」等の理由は、同写真展主催者の安氏はもちろんのこと、
あらゆる表現活動に携わる者としても、受け入れられるものではありません。
一方、東京地裁へ提出したニコン側の答弁書の方では、安氏の写真展に対し
て、
「同写真展が政治活動の一環」『政治性』を有することが明らか』など、ニ

コンは展示中止理由を主張しています。しかし、これらの主張は、突然の一方
的な開催中止を説明する理由として、社会的に通用するものではありません。

同じく中止通告された新宿ニコンサロンでの安世鴻写真展『重重~中国に残
された朝鮮人元日本軍「慰安婦」の女性たち』は、東京地裁の仮処分決定(契
約に基づく施設使用命令)によって開催されました(2012年6月26日~
7月9日)

しかしニコン側は、
「裁判所の決定に基づき、写真展会場を仮に使用させた」
のみであり、それ以外の協力や対応はほとんど何も行いませんでした。
ニコンは同写真展の告知も行わず、写真展会場ではニコン側は過度の警備を
貫き、来場者は身体検査などの人権を侵害され、予定されていた安氏のトーク
なども中止しました。弁護士やニコンサロン職員を動員し、撮影・録音・監視
を行っています。安氏自身もギャラリーでの撮影が許可されないほど、一切の
取材・撮影をニコン側は禁止しました。
写真展示史上、例を見ないこのような展示を終え、ニコンから通知・予定さ
れていた大阪ニコンサロンでの同じ写真展(=アンコール展)を安氏は準備し
てきました。新宿ニコンサロンのような法的な拘束力でなく、ニコン自らが考
えを改め自発的に正常な写真展を予定通り行ってほしいという思いで、安氏は
仮処分を申し立てず、ニコンに対してこれまで要請し続けてきました。
しかし、ニコンは回答を何度も拒否し、最終的に中止措置を強行しました。

安世鴻氏に対する、ニコン側の突然の一方的な中止通告・措置は、世界的に
著名な写真機器メーカー「Nikon」の名に背く行為です。写真家たちの表現の自
由を抑圧し、写真を愛する人々に失望を与えています。ニコンサロン公式ホー
ムページに記載された「写真文化の普及・向上を目的とする写真展示場」
「多くの写真家・写真愛好家の方々に写真活動の場を提供してきました」ニコンの歴
史と社会的責任を鑑みても、今回のような一方的な中止通告・措置は極めて不
当な行為と言わざるを得ません。

安氏はニコン側に対して、中止を決めた本当の理由と経緯を明らかにするこ
と、日時をあらためて同写真展を開催し、そして新宿ニコンサロンと大阪ニコ
ンサロンでの対応や措置に対する公式な謝罪と損害賠償を行うこと、そして今
回のような理由でもって、写真展を中止することが二度とないように努めるこ
となどをこれまで要求しています。
安氏に対してのみならず、社会的な責任ある対応と説明をニコン側が自発的
に取ることを求めます。

言うまでもなく、「言論・表現の自由」は民主主義社会の基盤です。多様な意
見や主張を認めて、それぞれの表現行為への自由な批判・意見・論評が社会で
流通されるためには、その表現をするための場と環境が不可欠です。これまで
のニコン側の対応だけではなく、表現の場と環境を担う人たちが、いかなる圧
力にも屈することのないように、様々な表現空間を守ることを強く望みます。
また、暴力的や脅迫的な言動・行為や嫌がらせなどの“力”でもって、表現活
動と機会を自粛や中止に追い込むような風潮を許容することはできません。
この抗議声明は、ニコンに対してだけではなく、あらゆる主義・思想・信条・
立場を超えて、この国で暮らすすべての人々にも呼びかけるものです。

【問い合わせ】アジアプレス大阪事務所 電話 06-6224-3226 osaka@asiapress.org
【呼びかけ人代表】石丸次郎(ジャーナリスト/アジアプレス)樋口健二(写
真家)原一男(映画監督・大阪芸術大学教授)篠田博之(月刊『創』編集長)
綿井健陽(ジャーナリスト)

【呼びかけ人】
(50音順。2012年10月4日現在)
合田創(自由ジャーナリストクラブ事務局)/芥川仁(写真家)/飯田基晴(映
画監督)/五十嵐二葉(弁護士)/池田香代子(翻訳家)/石井彰(放送作家)
/石坂啓(漫画家)/石原秀子(アムネスティ会員)/伊田浩之(
『週刊金曜日』
企画委員)/井部正之(ジャーナリスト/アジアプレス)/岩崎貞明(
『放送レ
ポート』編集長)/宇井眞紀子(写真家)/魚住由紀(フリーアナウンサー)
/宇田有三(フォトジャーナリスト)/大山一行(同時代ギャラリー主宰)/
太田昌国(編集者)/大原雄(ジャーナリスト/日本ペンクラブ理事)/岡本
厚(雑誌『世界』前編集長)/奥平康弘(憲法研究者)/郭辰雄(コリアNG
Oセンター代表理事)/小田桐誠(ジャーナリスト)/片山通夫(フォトジャー
ナリスト)/桂敬一(メディア研究者)/加藤武史(アンプラグド代表取締役
/映画『ザ・コーヴ』配給)/香山リカ(精神科医)/川村潤(月刊『自然と
人間』編集長)/北村肇(
『週刊金曜日』発行人)/木野龍逸(ジャーナリスト)
/ギャラリー古藤(田島和夫・大崎文子)/艸場よしみ(編集者)/粂川麻里
生(慶應義塾大学教授)/栗原佳子(ジャーナリスト/新聞うずみ火副代表)
/斎藤貴男(ジャーナリスト)/坂上香(ドキュメンタリー映像作家)/坂田
雅子(映画監督)/猿田佐世(弁護士)/柴田鉄治(ジャーナリスト)/ジャ
ン・ユンカーマン(映画監督)/張雲暉(映画『靖国』プロデューサー)/辛
淑玉(人材育成コンサルタント)/鈴木邦男(一水会顧問)/鈴木祐太(市民)
/砂川浩慶(大学教員)/高柳俊男(法政大学教員)/田島泰彦(上智大学教授)
/刀川和也(ドキュメンタリー映画監督)/谷上嶐(強制連行・強制労働犠牲
者を考える北海道フォーラム事務局長)/谷野隆(アジェンダ・プロジェクト)
/田場暁生(弁護士)/田原総一朗(ジャーナリスト)/田平正子(世界エス
ペラント協会代議員)/玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス)/津田正
夫(立命館大学教員)/戸田桂太(武蔵大学名誉教授)/永田浩三(ジャーナ
リスト)/中村梧郎(フォトジャーナリスト)/中村高寛(映画監督)/西村
秀樹(近畿大人権問題研究所教員)/日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(J
VJA=佐藤文則・国森康弘・綿井健陽・森住卓・古居みずえ・土井敏邦・山
本宗補・豊田直巳・林克明・桃井和馬・野田雅也・権徹・小林正典)/野中章
弘(アジアプレス代表)/服部孝章(立教大学社会学部教授)/原寿雄(ジャ
ーナリスト)/原村政樹(記録映画監督)/韓興鉄(翻訳・編集業)/日比野
敏陽(日本マスコミ文化情報労組会議議長)/藤井幸之助(コリアン・マイノ
リティ研究会世話人)/福本高大(鹿砦社)/藤岡朝子(山形国際ドキュメン
タリー映画祭東京事務局ディレクター)/二木啓孝(ジャーナリスト)/ホソ
ノシュータロー(編集者)/水島宏明(ジャーナリスト・法政大学教授)/水
野浩重(DAYS JAPAN関西サポーターズクラブ)/向井徹(毎日新聞出
版部)/諸橋泰樹(フェリス女学院大学教員)/安田浩一(ジャーナリスト)/
矢野宏(ジャーナリスト/新聞うずみ火代表)/山上徹二郎(映画プロデュー
サー/シグロ代表)/山口正紀(ジャーナリスト)/湯浅誠(反貧困ネットワ
ーク事務局長)/米澤清恵(韓国語講師)/李敬宰(高槻むくげの会)/劉永
昇(風媒社編集長)/渡辺武達(同志社大学社会学部教授) 以上

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